はじめに
今回は、指定したIPへの到達経路を知るための方法をご紹介いたします。
すなわち、
・現在接続しているネットワークからどのような経路をたどってインターネットに到達しているのか。
・PCからプリンターまでどのようなスイッチやハブを通ってジョブが飛んでいるのか。
などを瞬時に把握することが可能になります。
実践的には、
・なぜか印刷物が出ない。
・急にネットが見られなくなった。
といったトラブル時の問題切り分けに便利ですので、ぜひご活用ください。
それでははじめましょう。
手順① コマンドプロンプトを開く。
キーボードの『Windowsボタン』と、『r』ボタンを同時に押してください。
するとこのように左下に小さな枠が出てきます。
出てきましたら、アルファベット小文字で『cmd』と入力し、『Enter』を押してください。
ここまで実行すると、黒背景のなんだか難しそうな枠が表示されます。
これがコマンドプロンプトです。
手順② tracertを実行する。
コマンドプロンプトを開くことができましたら、いよいよ経路探索のコマンドを実行しましょう。
半角ローマ字で、『tracert』と入力し、次に『半角スペース』を入力、最後に『目的地のIPアドレス』を入力し『Enter』を押してください。
今回は練習ですので、仮に目的地のIPアドレスを『8.8.8.8』にしてみましょう。
これはGoogle社が公開している名前解決用のサーバアドレスです。
例.『tracert 8.8.8.8』と入力し、『Enter』を押してください。
現在使っているPCから、インターネットを通ってGoogle社のこのサーバーまでどのような経路を通っているか、調べられます。
手順③ 結果を確認する。
コマンドを実行したら暫く待ちましょう。通常は2~3分もあれば完了します。
セキュリティの安全上ぼかしをいれてありますが、幾つかの拠点を経由して、最終的には目的にのIPアドレスに到達しているのが見て取れると思います。
今回だと『8.8.8.8』というGoogleの公開アドレスにたどり着くまでに経由した拠点のIPが列挙されています。
これが大きなネットワーク環境である場合、『どこからどこまでの経路に異常はないが、ここから先で途切れている』といったことが分かるわけですね。
終わりに
いかがだったでしょうか。
会社はもちろん、自宅のPCでプリンターが使えない時やインターネットが見られない時にぜひ試してみてください。
『tracert』の後の『調べたい機器のIP』を変えることで様々な経路検索ができますよ。
※企業によってはセキュリティ維持の観点からコマンドを禁止しているところもあるため、ご注意ください。
なお今回ご紹介した方法は、MacOSやLinuxでも実行可能です。しかしその際は、『tracert』コマンドの部分を『traceroute』と入力してください。Windowsとは若干異なるのです。
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